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by Council for Science, Technology and Innovation
本調査では、エビデンスに基づく大学等運営の一環として、すでに策定されている「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」(2016 年 11 月 30 日、(以下、「ガイドライン」という)」で示されている資金の好循環の視点のうち、「産学官連携における費用負担の適正化」および「大学・国立研究開発法人の財務基盤の強化」の観点から近年法人にとって重要な収入となっている外部資金や寄付金に着目し、その活動状況を見える化し、マネジメントの改善等に役立てていただくためのエビデンスを整理することとした。
具体的には、法人の財務基盤のうち使途の自由度が高い外部資金・寄付金の収入構成割合を示しつつ、外部資金の中でも伸び率が大きい共同研究収入・寄付金収入に注目し、共同研究・寄付金収入の各法人の獲得状況を見える化を行った。また、費用負担の適正化の観点から、間接経費(特に共同研究収入)の取組が各法人において進んでいることから、各大学の間接経費比率の状況・獲得状況の見える化、財務基盤への貢献度についての分析を行った。また、寄付においては、法人からの寄付・個人からの寄付に分類を行い、それぞれの受入状況についての見える化を行った。
主な資料名及び調査名 | 国立大学 (共同利用機関法人含む) |
公立大学・私立大学 | 研究開発型法人 (自ら研究開発を行う研究開発型法人) |
財務諸表等 | 90 機関 | - | 29 機関 |
内閣府「産学連携活動マネジメントに関する調査」* | 68 機関 | 68 機関 | 26 機関 |
文部科学省「大学等における産学連携等実施状況調査」 | 88 機関(視点 2) 90 機関(視点 3) |
303 機関(視点 2) 550 機関(視点 3) |
- |
* 内閣府調査においては、機関名を公表しないことを前提に産学連携評価指標データを収集しているため、本一般公開サイトでは、各結果において機関名は開示していない。一方、自機関よりパフォーマンスが優れている機関の取組事例等を参考にし、産学連携活動の改善を行うためには、各機関のデータについて実名を表記した資料が必要になる。そのため、本調査で回答した機関で機関名の共有を承諾した機関は、分析ツール上で各機関の実名を表記した結果を確認することが可能である。なお、最終的に回答のあった(TLOを除く)162機関中、97%にあたる157機関が「共有可」と回答した。
法人の財政基盤の確立するため、民間資金 3 倍増という政府の目標が掲げられている。特に使途の自由度の高い間接経費収入増大を図ることは極めて重要である。視点 1 では、民間資金を含めた外部資金として、受託研究・共同研究・科研費・寄付金などが、法人の財政上どの程度の位置づけにあるのかについて見える化を行なった。そして、外部資金の中でも比較的使途が自由な財源である間接経費と全学的な一般管理費との比較について見える化を行なった。*ただし、本一般公開サイトでは、上述の通り内閣府調査で得られた結果の機関名は開示せず、国立大学法人等財務諸表や各法人の Web サイト等、既公開データで得られた結果のみ機関名を示す。
<分析項目>
*ただし、研発データは非公開
各大学・共同利用法人・研究開発法人の収入の構成比を示したものを下図に示す。 法人の収入のうち外部資金や寄付金にどの程度の依存をしているのかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
外部資金の構成比と、間接経費の合計額との構成比を示したものを下図に示す。 外部資金の間接経費の合計額が、外部資金収入全体のうちどの程度確保されているかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
全間接経費のうち、各間接経費の受入割合の内訳を示したものを下図に示す。 間接経費のうち、どの資金に基づく受入が多いかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
外部資金の資金別の間接経費比率を比較したものを下図に示す。 各法人の外部資金間接経費の比率(2018年度)がわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
外部資金(受託研究・共同研究・受託事業・科研費)・寄付金の獲得が、大学財政全体にどの程度貢献しているかを表すものを下図に示す。 外部資金の獲得により、外部資金直接経費だけではなく、一般管理費などを賄えているかがわかる。 * 外円の「損益計算上の収益」と内円の「損益計算上の費用」の合計額は一致するものではない。(両者は最大 5 % の差がある)。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
全外部資金間接経費と寄付金を合計した金額の、法人全体の一般管理費に対する比率を経年で比較したものを下図に示す。 外部資金の間接経費・寄付金が法人全体の一般管理費と比較して、どの程度の位置づけにあるかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
全外部資金間接経費の法人全体の一般管理費に対する比率を経年で比較したものを下図に示す。 外部資金の間接経費が法人全体の一般管理費と比較して、どの程度の位置づけにあるかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
視点 2 では、共同研究の間接経費の直接経費に対する比率が法人によってどの程度差があるのかについて、受入額、件数との関係も踏まえて見える化を行なった。特に、多くの法人において共同研究の間接経費比率はここ数年で大幅に変更されており、公開情報を基に間接経費の主な基準率や規程等を一覧化した。
<分析項目>
*ただし【2-1】【2-2】の研発データ および【2-3】は非公開
共同研究間接経費の法人全体の一般管理費に対する比率を経年で比較したものを下図に示す。 近年伸び率の高い共同研究の間接経費が法人全体の一般管理費と比較して、どの程度獲得されているかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
共同研究受入額と共同研究間接経費比率の推移を示したものを下図に示す。 共同研究受入額と間接経費比率について、3 年間(2016-2018年度, * 研発は2018年度)の推移・伸び率がわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
各法人の共同研究の間接経費について、主な基準の設定状況を各法人 Web サイトにて調査し、簡易的に一覧化したもの(2020 年 1 月 31 日現在)を下図に示す。 (Web サイト上不明なものについては、「サイト上明記なし」としている) 共同研究収入の間接経費の比率の設定ルールについて、近年大幅に変更されていることがわかる。
出典 : 各法人の Web サイトより内閣府作成
民間資金の 3 倍増を目指すための新たな視点として、大学基金への寄付・寄付講座・寄付研究部門の取組も重要である。視点 3 では、寄付による収入に着目し、国公私大・研発の寄付の受け入れ状況を見える化を行なった。
*ただし、【3-2】、【3-3】国公私大の2016,2017年度データ、【3-4】~【3-7】、および研発データは非公開
各法人の寄付受入額と法人全体の一般管理費との比率を経年で比較したものを下図に示す。 寄付受入額が法人全体の一般管理費と比較して、どの位置付けにあるかがわかる。
出典 : 国立大学法人等財務諸表
寄付金の金額・件数についての経年変化を示したものを下図に示す。(研発は 2018年度 のみ) 各機関の寄付金の金額・件数の推移・傾向がわかる。
出典:文部科学省「大学等における産学連携等実施状況調査」
上記の報告は以下のリンクより PDF ファイルとしてダウンロードできる。