e-CSTI

Evidence data platform constructed
by Council for Science, Technology and Innovation

本文へ
文字サイズ
言語

ANALYSIS
研究資金配分と論文アウトプットの関係性分析

1. 「見える化」の目的

研究費がどのように論文等のアウトプットに結びついているかを見える化するシステムを構築し、関係機関による分析を可能とすることは、より効果的な資金配分の在り方を検討していく上で極めて重要。

このため、e-Radに集約されている競争的研究費の執行データと、関係機関の協力を得つつ収集した非競争的研究費の執行データを統合した、国立大学、研究開発法人、共同利用機関の研究者の研究資金の執行データを作成。これらを内閣府において入手した論文情報と統合することで、資金配分と論文数や被引用数等のアウトプットデータの関係性を分析するデータ基盤を構築。

本データを用いて、インプットとアウトプットの関係性を分析することで、我が国の研究力向上のための資金配分の在り方を検討する材料を提供する。

2. 「見える化」の方法

2.1 「見える化」に利用したデータ

2.1.1 予算執行データ

・「研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン」に基づき、国立大学法人、研究開発法人、大学共同利用機関法人(全119機関)を対象に、2018年度以降、毎年度収集している。
・財源の種類(運営費交付金等、科研費、科研費以外の競争的資金、その他補助金、民間からの受託研究費、寄付金、治験)を区別してデータを収集。グループで獲得した資金については、分担研究者を含め按分等を実施。
・予算執行データについては、研究活動の労働力と資本、すなわち、人件費(年収)と研究活動費の大きく2種類存在するが、本分析においては、研究活動費(研究を使用目的とする経費)を対象としており、人件費は対象外。
・e-Radに登録されている研究者に限定していることに留意が必要。

2.1.2 研究者の属性データ

・「研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン」に基づき、国立大学法人、研究開発法人、大学共同利用機関法人(全119機関)を対象に、2018年度以降、毎年度収集している。
・研究者の分野については、各法人から収集されたe-Rad研究者データに登録された主たる研究分野、もしくは各研究者の論文に付与された分野から科研費の大区分を内閣府において推定。
・e-Radに登録されている研究者に限定していることに留意が必要。

「見える化」に利用したデータの概要
2.1.3 論文データ

・内閣府がElsevierから購入したScopusとJ-Stageの統合データ(2021年12月時点)から、出版年が2018年-2020年の論文を抽出。J-Stageデータとの統合により、人文社会系の論文数が顕著に増加している。
・本データには、カバレッジが不十分な部分や分野間の偏りがあるため、研究者が執筆したすべての論文が含まれるとは限らない点に留意が必要。利用した論文データには、原著論文の他、会議論文、総説論文等も含まれる。

J-STAGEデータの追加による日本語論文を含めた書誌データの活用

2.2 データの利用方法・留意事項

・研究者個人を結節点として予算執行データ、研究者の属性データ(2018年度-2020年度)と論文データ(2018年-2020年)を紐づけることで分析に活用。
・分野や研究内容により、必要となる研究資金の規模や論文の出しやすさ、引用のされやすさ等に違いがあることや、論文以外のアウトプットを目的として実施されている研究もある点に留意が必要。
・国立大学、共同利用機関をグループ分けする際には、文部科学省による運営費交付金「成果を中心とする実績状況に基づく配分」(第4期)において便宜的に用いている分類を活用。各グループの説明は以下のとおり。
【グループ①】主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学のうち、附属病院を有する国立大学
【グループ②】主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学のうち、附属病院を有しない国立大学
【グループ③】主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学
【グループ④】主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組を中核とする国立大学のうち、指定国立大学
【グループ⑤】主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組を中核とする国立大学
【グループ⑥】研究基盤の共同利用や、大学の枠を越えたネットワーク化を推進する大学共同利用機関

2.3 委託先

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

3.これまでの分析結果概要

下記のリンクより詳細な資料をダウンロードできる。あわせて、各資料に関連する会議情報について掲載している。

※12-14ページについては「研究アウトプットと研究者属性の関係性分析」で利用しているデータを掲載している。
【関連会議情報】
総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会(2023年3月23日)

【関連会議情報】
総合科学技術・イノベーション会議 第141回評価専門調査会(2021年12月20日)
議事次第(内閣府ホームページ) 議事概要(内閣府ホームページ)

【関連会議情報】
総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会(2020年10月22日)
議事次第(内閣府ホームページ) 議事概要(内閣府ホームページ)
総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会(2020年11月26日)
議事次第(内閣府ホームページ) 議事概要(内閣府ホームページ)

関連リンク

page top