Evidence data platform constructed
by Council for Science, Technology and Innovation
国内外の論文輩出状況を整理したサイエンスマップ 2018(NISTEP)と e-CSTI(内閣府)における研究費ファンディング情報を組み合わせて分析することにより、研究領域ごとに、どのように国からの研究費が投入されているか、どのように研究アウトプットが出ているかを見える化する。また、民間資金の投入状況も併せて見える化する。
研究領域ごとに研究費の投入をどのように変革すればグローバルな競争環境の下でより高いアウトプットを期待することが可能となるか等の政策議論につなげていくことを目指す。
見える化された内容については、詳細なデータも参照できるような IT システムとして構築し、次のステップとしての研究領域ごとのエキスパートによる議論において活用できるように整備する。
NISTEP からサイエンスマップ 2018 構築に用いたデータの提供を受け、内閣府において BI ツールを用い「見える化」システムを構築した。
NISTEP から提供を受けたサイエンスマップ 2018 に含まれる文献情報* の著者の eRad 番号を推定し、内閣府が収集した予算執行データ(2018年度における国立大学、研究開発法人、共同利用機関が対象)** と接続することで、分野ごとの予算執行状況の把握が可能となった。
* Clarivate 社の Web of Science データを用いて分析
** 「研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン」(内閣府)に基づき国立大学、共同利用機関、研究開発法人を対象に内閣府において収集。インプットとなる研究予算の執行に係る予算執行データについては、研究活動の労働力と資本、すなわち、人件費(年収)と研究活動費の大きく2種類存在するが、本分析においては、研究活動費を対象としており、人件費(年収)データは対象外としている。
政策研究大学院大学、(株)電通コンサルティング
世界的に従来から研究活動が活発なライフサイエンス、マテリアル、宇宙等の分野において日本の研究活動も活発な傾向が見られるが、AI・情報、環境・気候変動等の新興分野における日本のプレゼンスは低い傾向が見られる。
領域分野ごとのファンディングを見ると、ライフサイエンス分野やマテリアル分野に国から多くの資金が投じられているが、AI・情報の分野への資金供給は小さい傾向が見られる。また、民間投資の傾向をみると、概ね国が投資している傾向と同様の傾向が見られるが、民間資金を誘発する比率は分野によって大きく異なる。
ライフサイエンス分野やマテリアル分野に研究者が多く分布しているものの、一人当たり研究費執行額は少額となっており、むしろAI・情報等の新興分野における一人当たり研究費執行額の方が高くなっている傾向が見られる。
「見える化」の結果については下記のリンクより詳細な資料をダウンロードできる。
あわせて、各資料に関連する会議情報について掲載している。
【関連会議情報】
総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会(2020年11月26日)